気象庁はメソ数値予報モデル(MSM)を使って地上および高層の気温や風などの予報を
配信しています。
データは地表面データ(MSM-S)と高層データ(MSM-P)になっています。
海王丸パーク展望広場で観測した蜃気楼の出現日について、
観測地点と観測対象のほぼ中央にある東経137.25度上を、
陸地にかからないように、北緯36.8度から37.1度まで、
地上から500mまでの高さにおける気温分布を、
MSM-SとMSM-Pのデータを使って、GMTというソフトで調べました。
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kansokutizu
観測地点と主な観測対象および東経137.25度線

9時(日本時)が初期値の3時間後の12時のデータでは、
2020年から2024年にかけて観測した蜃気楼16件の内、13件で、
地上から100mの高さまで、気温3℃以上の逆転が見られました。

蜃気楼出現日の高度気温分布の例 [X軸は緯度(°)  Y軸は高度(m)  以下同じ]
20220412 20240426
2022年4月12日2024年4月26日

富山アメダスで最高気温が平年より高く、平均風速が4m/s未満、透明度が良で
蜃気楼出現の可能性が高いのに、出現しなかった日は、
2021年から2024年の4月〜7月に、9件あり、そのうち7件では、
地上から500mまでの高さにおける気温分布では気温の逆転が見られませんでした。

出現の可能性があるのに、出現しなかった日の高度気温分布の例
20240616
2024年6月16日

9時(日本時)が初期値のMSM-SデータとMSM-Pのデータを昼前に入手できれば、
予報データから、午後の蜃気楼の出現を予想することが可能になります。

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