京都大学生存研究所のサーバーで公開されている気象庁MSMの格子点データには、
気象庁で作られ、気象業務支援センターから GRIB2形式で配信されたものと、
それを京都大学生存研究所で編集して NetCDF 形式にしたものがあります。

このうち、NetCDF 形式のものは、GMTプログラムで使えてありがたいのですが、
編集されるため、入手できるのは翌日になり、残念ながら予想には使えません。
一方、GRIB2形式のものは、早く入手できるのですがNetCDF 形式に変換するのは、
Linux対応が多くて、Windowsでは大変です。

いろいろ試みた結果、wgrib2.exeというコマンドを使うことにしました。
まれに日射量が変換されないということはありますが、
蜃気楼の処理には影響ありません。

ただし、GRIB2形式といっても、当日0時(日本時9時)のデータを入手できるのは
午後になるため、当日の9時過ぎには入手できる前日21時(日本時6時)のデータを使うことにしました。

比較のため、2025年3月22日12時の同経度高度分布を見てみましょう。(すべて日本時)
高度気温分布図は [X軸は緯度(°)  Y軸は高度(m) ]です。
(画像はクリックすると拡大します)

3月22日の朝に入手した、3月22日午前6時のGRIB2データによる6時間予想
2025032106h

3月22日の午後に入手した、3月22日午前9時のGRIB2データによる3時間予想
2025032203h

翌日23日に入手した、3月22日午前9時の京都大学生存研究所で編集されたNetCDFデータによる3時間予想
2025032203hk

多少の違いはありますが、大きな違いにはなっていないです。

当日午前6時のGRIB2データによる6時間予想を使って予想しても大丈夫だと思います。

3月24日12時の予想高度気温分布を見てみましょう。
2025032306h

逆転層ができて、蜃気楼が出現する可能性があります。
しかし、透明度がかなり悪いので、どうなりますか?

話は変わりますが、一部データが変換されないということを是正するため、
Windows上にUNIXのような環境を提供するcygwinなどを使って、
wgrib2のコンパイルを行っても、なかなかうまくいきませんでした。
ところがWindowsでLinux環境を実行するためのサブシステム wsl を使うと、
すぐにコンパイルされたwgrib2が使えるようになりました。
しかし、どちらを使っても、まれに一部データの抜けたものがあります。

4月17日世界時18時のデータから6時間後の
4月18日9時の予想高度気温分布を見てみましょう。
4月18日は朝から気温が高くなっています。
2025041809h

高度100mまでに4℃の逆転層ができて、蜃気楼が出現する可能性があります。
透明度は悪いです。


4月18日世界時21時のデータから6時間後の
4月19日12時の予想高度気温分布を見てみましょう。
4月19日は朝から気温が高くなっています。
2025041912h

高度100mまでに5℃の逆転層ができて、蜃気楼が出現する可能性があります。
透明度は悪いです。


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